今月の思い
★四月の思い
役者の勉強をしていた時の仲間でフリーライターの堀香織(ほりかおる)さんが三月に光文社から「父の恋人、母の喉仏」という本を出された。著書の中で堀さんは40年前に離婚されたご両親の介護、看取りについて書かれているのだけど、その賢明さに私は読み終えた時、あたかも自分が介護をし看取ったかのような「やりきった」感覚に満たされ、どこか清々しささえ感じていた。
でも自身を振り返ると、反省というか、むしろ悔やまれるようなことばかりが思い出され、三年半前に逝った父にもっと心から寄り添えば良かったと無念でならない。
私はいつしか、家族に対してばかりか親しい友人や仲間にさえドライになっていたように思う。以前もそんな自分に気づき改めなくては!と我が身に言い聞かせはずなのに、気付いたらまた同じことを繰り返していた。いや、むしろそちらの方がすっかり染みついてしまったか?
そういえば、この前やっと読んだ「星の王子さま」でも似たような読後感。「大切なものは目に見えない」という事をどこかで理解できていたあの頃の自分に恥ずかしくない私になれるよう、日々を営もう。