今月の思い

★三月の思い

 卒業シーズンです。先日近所の公園を通りかかったら、卒業の記念写真を撮っているご家族を見かけました。ご両親は私と同じくらいの世代で、娘さんは袴姿でしたので短大か大学を卒業されたのでしょう。交代しながら写真を撮っている様子を眺め一度は行きすぎたのですが、我が身を振り返り「そう言えばうちは三人家族だけど、三人揃って写っている写真てあまりないな」と思い、引き返して「よろしかったらお撮りしましょうか」と声をかけてみました。ご両親はもともと嬉しかった様子でしたが更に嬉しそうに「有難うございます〜でも大丈夫です〜」とお断りになりました。それでも嬉しさがこちらにもしっかり伝わり、私も幸せな気持ちになりました。

 子供の成長は素直に嬉しいです。そして寂しさも伴います。連れ合いはそれをより強く感じているとみえ、父親のことを好きでいてくれる今のうちに思い出を作りたい、と二人で旅に行くことになりました。私だって一緒に行きたいのに「母親とはいずれ二人で旅行に行く機会もあるだろうけど、父と娘はないだろうから」と言う言い分で、チケットや宿の手配を手伝い、今日送り出しました。一泊二日の最初で何回目になるかはわからないけど、連れ合いと娘の二人きりの旅です。

 私は寂しく家に残りましたが、あぁひょっとして、娘が家を出て行く時ってこんな感じなのかなぁ、と思うと切なく、この思いを埋める何かを考えておかなくては、、、と辺りを見回しました。するとそこには娘が学校から持ち帰ったまま数日間放置してある上履き入れ、やりかけの塗り絵と色鉛筆、洗濯して畳んだけど新学期には大きめサイズに買い替えなくては、とそこに出したままの体育着が目に留まりました。いずれも片付けなくちゃと思っていたものだけど、ちょっとこのままにしておこう、かな。